転職した年の確定申告は要注意!「医療費控除」「住宅ローン控除」とふるさと納税を併用して最大限節税するコツ
転職した年は、給与の合算だけでなく「控除の手続き」も一気に複雑になります。特に、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)を受ける場合は、ワンストップ特例制度が使えないというルールがあるため、注意が必要です。
「せっかくふるさと納税をしたのに、手続きを間違えて控除が受けられなかった」という事態を避けるために、転職者が知っておくべき併用時の注意点と、節税効果を最大化するポイントを解説します。
1. 転職者が陥りやすい「確定申告の必須ルール」
転職した年、以下のいずれかに当てはまる場合は、ふるさと納税のワンストップ特例申請を出していても、最終的にすべて確定申告でやり直す必要があります。
医療費控除を受ける(年間10万円以上の医療費を支払った)
住宅ローン控除の1年目である(初年度は確定申告が義務)
転職先で年末調整が間に合わなかった
ワンストップ特例は「確定申告をしないこと」を条件とした制度です。確定申告を一度でも行うと、自治体へ提出したワンストップの申請は自動的に無効となります。ふるさと納税分も忘れずに確定申告書に記入しましょう。
2. 医療費控除を併用すると「上限額」が下がる?
ここが最も重要なポイントです。医療費控除を受けると、ふるさと納税の控除上限額(寄付できる枠)が少しだけ減ります。
理由: 医療費控除によって所得金額が下がるため、それに応じて計算される住民税所得割額(ふるさと納税の計算の基礎)も少なくなるからです。
影響の目安: 例えば、医療費控除を10万円受ける場合、ふるさと納税の上限額は概ね2,000円〜3,000円程度下がることが一般的です。
転職によって年収が大きく変動している方は、医療費控除を見越して、上限額ギリギリを攻めすぎない「余裕を持った寄付」が賢明です。
3. 住宅ローン控除との併用で損をしないための知識
住宅ローン控除とふるさと納税を併用する場合、「ワンストップ特例」か「確定申告」かで控除の仕組みが変わります。
確定申告で行う場合(住宅ローン1年目など)
所得税において「ふるさと納税の控除」が先に引かれ、その後に「住宅ローン控除」が適用されます。
注意点: 所得税から住宅ローン控除を引ききれなくなる場合があります。引ききれなかった分は住民税から控除されますが、住民税の控除額にも上限(最高97,500円など)があるため、わずかに控除しきれない「控除ロス」が発生する可能性があります。
ワンストップ特例で行う場合(住宅ローン2年目以降)
ふるさと納税の控除がすべて「住民税」から引かれます。
メリット: 所得税の額に影響を与えないため、住宅ローン控除と干渉しにくく、最も効率的に両方のメリットを享受できます。
4. 転職者が最大限節税するための4ステップ
転職した年に、各種控除を組み合わせて最もお得にするための手順は以下の通りです。
ステップ1:前職と現職の源泉徴収票を揃える
確定申告には、1月1日から12月31日までのすべての収入を証明する書類が必要です。前職の源泉徴収票がないと、正確な所得控除が受けられません。
ステップ2:医療費控除の額を確定させる
1年間の領収書をまとめ、セルフメディケーション税制とどちらがお得か比較します。医療費控除額が決まれば、正確なふるさと納税の上限額が見えてきます。
ステップ3:12月に最終の寄付調整をする
住宅ローンの残高や、転職後の正確な年収が見えた12月に、残りの寄付枠を使い切ります。
ステップ4:マイナンバーカードで一括申告
転職・引越し・医療費・住宅ローン・ふるさと納税……これらをバラバラに管理するのは困難です。スマホのe-Taxを利用すれば、寄付金受領証明書の内容も自動入力でき、入力漏れによる「控除漏れ」を防げます。
まとめ:転職した年こそ「確定申告」が最強の節税策
転職した年はイレギュラーなことが多いため、便利なワンストップ特例に頼り切るよりも、「すべての控除を確定申告でまとめて申告する」のが最も確実で損をしない方法です。
医療費控除があるなら、上限額は少し控えめに。
住宅ローン1年目は、所得税の還付をしっかり受ける。
ふるさと納税の証明書は、1枚も漏らさず申告書に記載する。
これらを意識するだけで、転職という転機における税負担を最小限に抑えることができます。
ご自身の今年の「見込み年収」と「医療費の総額」を一度メモしてみることから始めてみませんか?具体的な計算シミュレーションが必要な場合は、いつでもお手伝いします。
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