副業・株の利益でふるさと納税の上限額はどう変わる?確定申告で「損」をしないための注意点


本業の給与以外に、副業の収入や株式投資の利益がある場合、「ふるさと納税の上限額(限度額)」はどのように変化するのでしょうか。

実は、副業や投資の利益を確定申告するかどうかで、ふるさと納税の枠は大きく変動します。一方で、申告の仕方を間違えると、社会保険料が上がったり扶養から外れたりして、節税額以上の出費(損)を招くリスクもあります。

この記事では、副業や株の利益がある人に向けて、ふるさと納税の上限額の変化と、損をしないための確定申告のポイントを詳しく解説します。


1. 副業の利益(事業所得・雑所得)がある場合

メルカリでの販売やWebライティング、ブログ運営などの副業で利益が出ている場合、その利益は「所得」として加算されます。

黒字なら上限額はアップする

副業が黒字で、確定申告を行う場合、あなたの総所得金額が増えるため、比例してふるさと納税の上限額も上がります。目安として、副業利益の数%程度、寄付できる枠が増えると考えるとよいでしょう。

赤字(損)が出た場合は要注意

副業を「事業所得」として申告しており、赤字(損)が出た場合、本業の給与所得と相殺(損益通算)されます。この場合、全体の所得が減るため、ふるさと納税の上限額は逆に下がります。 昨年の年収を基準に寄付をしていると、上限オーバーになる可能性があるため慎重な計算が必要です。


2. 株式投資の利益(譲渡所得・配当所得)がある場合

株の売却益や配当金がある場合、ふるさと納税の上限額への影響は「口座の種類」と「申告方法」で決まります。

特定口座(源泉徴収あり)の場合

この口座で利益が出ている場合、何もしなければ上限額には影響しません。しかし、あえて確定申告(申告分離課税)をすることで、ふるさと納税の上限額を増やすことができます。

  • メリット: 利益の約1〜2%程度、寄付枠が拡大する。

  • デメリット: 申告することで「合計所得金額」が増え、健康保険料が上がったり、配当控除が受けられなくなったりする可能性がある。

株で損失が出た場合

株の売却で損が出た場合、基本的には給与所得と相殺することができないため、ふるさと納税の上限額は変わりません。ただし、他の株の利益と相殺(損益通算)して申告する場合は、その相殺後の利益に対して上限額が計算されます。


3. 「住民税所得割額」が鍵を握る

ふるさと納税の上限額を決める最大の要因は、**住民税の「所得割(所得に応じてかかる部分)」**の金額です。

副業や株の利益を確定申告すると、住民税の所得割額が増えるため、その約2割が目安となる「ふるさと納税の特例控除枠」も広がります。

計算の公式イメージ:

住民税所得割額の20% ÷ (90% − 所得税率 × 1.021) + 2,000円

この式からもわかる通り、所得が増えて税率が上がる、あるいは住民税額そのものが増えることで、寄付できる最大値は底上げされる仕組みです。


4. 確定申告で「損」をしないための3つのチェック

上限額を増やしたいからといって、安易にすべてを申告するのは危険です。以下の3点は必ず確認しましょう。

① 社会保険料への影響

自営業やフリーランス、あるいはご家族の扶養に入っている場合、確定申告で所得を増やすと、国民健康保険料や介護保険料の負担が増えることがあります。ふるさと納税で数千円得をしても、保険料が数万円上がってしまっては本末転倒です。

② 扶養控除の判定

配偶者控除や扶養控除を受けている場合、株の利益などを申告することで所得制限を超えてしまい、扶養から外れてしまうケースがあります。これにより世帯全体の税負担が増えるリスクを考慮してください。

③ ワンストップ特例制度の失効

副業所得が20万円を超えて確定申告を行う場合、それまでに提出した「ワンストップ特例申請」はすべて無効になります。確定申告書の中で、必ずふるさと納税(寄附金控除)の情報を記入し直してください。 これを忘れると、1円も控除を受けられなくなります。


5. まとめ:シミュレーションは「申告後」の所得で

副業や株の利益がある方は、一般的なシミュレーターに給与年収を入れるだけでは不十分です。

  • 利益を申告する場合: 「給与所得 + 副業所得 + 株の利益」の合計で再計算。

  • 利益を申告しない場合: 「給与所得」のみで計算。

このように、自分のライフスタイルや税負担のバランスを考えて、申告するかどうかを決めるのが「賢いふるさと納税」のコツです。