親等って何?相続や法律で大切な「親等」を分かりやすく解説!
「親等」という言葉、なんとなく聞いたことはあるけれど、具体的にどういう意味?どうやって数えるの?そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。特に、相続や扶養、結婚など、人生の様々な場面で「親等」はとても重要な意味を持ちます。
このブログ記事では、難しく感じがちな「親等」について、親しみやすい言葉で徹底解説!親等の基本から数え方、実際の活用シーンまで、分かりやすくご紹介します。
親等とは?家族のつながりを示す大切なルール
「親等」とは、血のつながりや婚姻関係の近さ・遠さを表す単位のことです。法律の世界では、「この人とこの人は〇親等だから、こういう関係になる」といった形で、様々な権利や義務を決める際の基準として使われます。
例えば、相続の際には、故人との親等の近い人が優先的に遺産を相続する権利を持つなど、私たちの日常生活にも深く関わっています。
親等の数え方、これでバッチリ!
親等の数え方は、実はとってもシンプル!基本ルールを覚えれば、どんな関係の人でも簡単に親等を計算できるようになります。
【親等の数え方 基本ルール】
本人からスタート!
親等を数える際は、必ず「本人」から出発します。
一世代ごとに「1」を足す!
本人から、親、子、兄弟姉妹、祖父母、孫など、一世代離れるごとに「1」を足していきます。
では、具体的な例を見てみましょう!
直系親族の親等(タテのつながり)
直系親族とは、自分を基準として、直接的に血のつながりのある上下のつながりのことです。
父母、子:1親等
本人 → 父(1)
本人 → 母(1)
本人 → 子(1)
祖父母、孫:2親等
本人 → 父(1) → 祖父(2)
本人 → 母(1) → 祖母(2)
本人 → 子(1) → 孫(2)
曽祖父母、ひ孫:3親等
本人 → 父(1) → 祖父(2) → 曽祖父(3)
本人 → 子(1) → 孫(2) → ひ孫(3)
このように、直系親族は世代を遡る、または下るごとに親等が増えていきます。
傍系親族の親等(ヨコのつながり)
傍系親族とは、本人と共通の祖先を持つ親族のことです。
兄弟姉妹:2親等
本人から親へ1、親から兄弟姉妹へ1、合計で2親等です。
本人 → 父(1) → 兄弟姉妹(2)
本人 → 母(1) → 兄弟姉妹(2)
おじ・おば、おい・めい:3親等
本人 → 父(1) → 兄弟姉妹(おじ・おば)(2) → おい・めい(3)
本人 → 父(1) → 祖父(2) → おじ・おば(3)
※ おじ・おばの場合は、本人から父母へ1、父母からその兄弟姉妹へ1、さらにその兄弟姉妹から本人へはもうつながりがないため、共通の祖先(祖父母)を経由して数えます。
本人 → 父(1) → 祖父母(共通の祖先)(2) → おじ・おば(3)
おい・めいの場合は、本人から兄弟姉妹へ2、兄弟姉妹からその子へ1、合計で3親等です。
本人 → 兄弟姉妹(2) → おい・めい(3)
いとこ:4親等
本人 → 父(1) → 祖父母(共通の祖先)(2) → おじ・おば(3) → いとこ(4)
少し複雑に感じるかもしれませんが、「共通の祖先」を基準に数えるのがポイントです。
親等図と一覧表で確認しよう!
言葉だけではイメージしにくいという方のために、親等図と一覧表をご用意しました。これを見れば、誰でも一目で親等を確認できますよ!
親等図(イメージ)
曽祖父母 (3)
|
祖父母 (2)
|
親 (1)
|
本人
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子 (1)
|
孫 (2)
|
ひ孫 (3)
兄弟姉妹 (2) --- 本人 --- 兄弟姉妹 (2)
| |
おい・めい (3) おい・めい (3)
おじ・おば (3) -- 祖父母 -- おじ・おば (3)
| |
いとこ (4) いとこ (4)
親等一覧表
関係性 | 親等 | 直系/傍系 |
父母 | 1 | 直系 |
子 | 1 | 直系 |
祖父母 | 2 | 直系 |
孫 | 2 | 直系 |
曽祖父母 | 3 | 直系 |
ひ孫 | 3 | 直系 |
兄弟姉妹 | 2 | 傍系 |
おじ・おば | 3 | 傍系 |
おい・めい | 3 | 傍系 |
いとこ | 4 | 傍系 |
婚姻関係にも「親等」がある!配偶者の親族(姻族)
親等は、血のつながりだけでなく、婚姻によっても発生します。これを「姻族(いんぞく)」と呼びます。姻族の親等も、血族と同じように数えます。
配偶者:0親等
配偶者は、親等がない(0親等)とされています。これは、夫婦は一心同体と見なされるためです。
配偶者の父母(義理の父母):1親等
本人 → 配偶者(0) → 配偶者の父母(1)
配偶者の兄弟姉妹(義理の兄弟姉妹):2親等
本人 → 配偶者(0) → 配偶者の父母(1) → 配偶者の兄弟姉妹(2)
または
本人 → 配偶者(0) → 配偶者の兄弟姉妹(2)
姻族の場合も、血族の親等の数え方と同じように、世代ごとに「1」を足していきます。
親等がわかると何に役立つ?知っておきたい活用シーン
親等を知ることは、私たちの生活の様々な場面で役立ちます。
1. 相続:遺産を誰が受け取る?相続順位の決定
親等が最も重要な意味を持つのが「相続」です。民法では、法定相続人(遺産を受け取る権利のある人)の順位が親等によって定められています。
常に相続人となる人:配偶者
配偶者は、常に相続人となります。
第1順位:子、孫など直系卑属
故人に子がいる場合、子が相続人となります。子がすでに亡くなっている場合は、孫が相続人となります(代襲相続)。
第2順位:父母、祖父母など直系尊属
故人に子がいない場合、父母が相続人となります。父母がすでに亡くなっている場合は、祖父母が相続人となります。
第3順位:兄弟姉妹
故人に子も父母もいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、おい・めいが相続人となります(代襲相続)。
このように、親等によって相続の順位が決まるため、ご自身の家族関係を把握し、親等を知っておくことは非常に重要です。
2. 結婚:結婚できない相手もいる?近親婚の制限
民法では、一定の親等内の親族間での結婚を禁止しています。これは、近親婚による遺伝的なリスクや、社会的な倫理観に基づくものです。
直系血族: 何親等であっても結婚できません。
三親等内の傍系血族: 結婚できません。(兄弟姉妹、おじ・おば、おい・めいなど)
直系姻族: 結婚できません。(義理の父母、義理の子など)
結婚を考えている相手との親等関係を確認することは、トラブルを避けるためにも大切なことです。
3. 扶養義務:誰を支える義務がある?
親等によって、扶養義務(生活を支える義務)の範囲が決まることがあります。一般的に、親等の近い親族ほど扶養義務の範囲が広くなります。
4. 後見人:判断能力が低下した時に誰がサポートする?
認知症などで判断能力が低下した場合、本人に代わって財産管理や生活のサポートをする「後見人」を選任することがあります。この後見人の候補者を選ぶ際にも、親等が一つの目安となることがあります。
親等に関するよくある疑問Q&A
Q. 離婚したら姻族の親等はなくなるの?
A. 離婚すると、原則として姻族関係は終了します。ただし、配偶者との間に未成年の子がいる場合など、一部例外もあります。
Q. 再婚相手の連れ子とは何親等になるの?
A. 再婚相手の連れ子とは、血のつながりはありませんので、親等はありません。ただし、養子縁組をすれば法律上の親子関係が発生し、1親等となります。
Q. いとこ同士は結婚できるの?
A. はい、いとこは4親等にあたるため、法律上は結婚が可能です。ただし、地域によっては慣習などで推奨されない場合もあります。
まとめ:親等を知って、安心した未来を築こう!
「親等」は、一見すると難しそうな言葉に感じられますが、私たちの家族関係や権利義務に深く関わる大切な概念です。親等の数え方を理解し、ご自身の家族の親等関係を把握しておくことで、相続や結婚、扶養など、人生の様々な場面で安心して対応することができます。
もし、ご自身の親等や相続に関するご不明な点があれば、専門家への相談も検討してみてください。この情報が、皆さんの生活の一助となれば幸いです。