聴くだけで気分が変わる？音楽の心理学的効果と、心と体を癒す音楽療法の世界
お気に入りの曲を聴いて、気分が上がったり、リラックスしたり。
私たちにとって、音楽は単なる音の集まりではなく、心や体に大きな影響を与える存在です。
実は、こうした音楽の心理効果は、科学的にも証明されており、音楽療法として医療や福祉の現場でも活用されています。
今回は、なぜ音楽が私たちの心に響くのか、その心理効果の秘密を解き明かしながら、音楽がもたらす癒しや集中力向上、そしてストレス解消のメカニズムについて、わかりやすくご紹介します。
1. なぜ心に響く？音楽がもたらす3つの心理効果
音楽は、私たちの脳に直接働きかけ、感情や記憶力、身体の働きに影響を与えます。
① 精神を安定させる効果
悲しい時にバラードを聴くと、涙が出て心が軽くなったり、気分が落ち込んでいる時にアップテンポな曲を聴くと、気持ちが前向きになったり。音楽には、精神安定剤のように、私たちの感情をコントロールする力があります。特に、心地よいメロディーやリズムは、副交感神経を優位にし、不安や緊張を和らげてくれます。
② 集中力や記憶力を高める効果
勉強や仕事の時に、BGMとして静かなクラシックやジャズを聴くと、集中力が続いたという経験はありませんか？音楽は、気分を落ち着かせ、外部の雑音を遮断することで、作業に没頭しやすい環境を作り出します。また、好きな曲を聴くと、ドーパミンという物質が分泌され、モチベーションを高める効果も期待できます。
③ 睡眠やリラックスを促す効果
寝る前に静かなクラシックやヒーリング音楽を聴くと、スムーズに眠りにつけることがあります。特定の周波数を持つ音楽（ソルフェジオ周波数など）は、心身をリラックスさせ、良質な睡眠をサポートすると言われています。
2. 音楽の力で心と体をケアする「音楽療法」の世界
音楽療法は、音楽の力を活用して、心身の健康や生活の質の向上を目指す専門的な治療法です。
どんな人におすすめ？音楽療法の効果と事例
音楽療法は、高齢者の認知症予防や、発達障害、自閉症の方々のコミュニケーション能力向上など、幅広い分野で効果が報告されています。音楽を通して感情を表現したり、リズムに合わせて体を動かしたりすることで、心身機能の維持・改善に繋がります。
音楽療法には資格が必要？
日本には「音楽療法士」という民間資格があり、専門の知識や技術を持つプロが治療を行います。興味がある方は、専門の学校で学ぶことができます。
音楽療法にデメリットはある？
音楽療法は、患者さんの心身に負担をかけないよう、細心の注意を払って行われますが、人によっては、音楽自体がストレスになったり、特定の音楽が過去のトラウマを呼び起こしたりする場合もごく稀にあります。
日常生活に音楽をプラスしてみよう
音楽の心理効果は、私たちの日常にも簡単に取り入れられます。
朝の目覚めに元気が出る曲、仕事中のBGMに集中できる音楽、寝る前のリラックス音楽など、自分の気持ちに合わせて音楽を選んでみましょう。