「もしかして私にも?」過払い金とは?その請求と知っておきたい注意点
「過払い金」という言葉、テレビCMやインターネット広告などで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「なんだか難しそう」「自分には関係ないかな」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は過去に消費者金融やクレジットカード会社から借金をしていたり、キャッシングを利用していたりした方の中には、過払い金が発生している可能性があるんです。
ここでは、過払い金とは何かをわかりやすく解説し、もし請求を検討するなら知っておきたいデメリットや注意点について、専門的な知識がなくても理解できるように、丁寧にご説明します。
そもそも「過払い金」って何?
過払い金とは、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者が、利息制限法という法律で定められた上限金利を超えて、違法な金利でお金を貸し付けていた時代に、払い過ぎていた利息のことです。
少し難しい話になりますが、2010年(平成22年)に法律が改正されるまで、多くの貸金業者は「グレーゾーン金利」と呼ばれる、利息制限法の上限金利(最大20%)と出資法の上限金利(最大29.2%)の間の金利で貸付を行っていました。このグレーゾーン金利が、法改正によって違法と判断されたため、払い過ぎていた利息が「過払い金」として返還請求の対象となったのです。
つまり、あなたが過去に借り入れをしていて、もし違法な金利を支払っていたのであれば、その払い過ぎたお金を取り戻せる可能性がある、ということです。
「もしかして過払い金があるかも?」対象になるのはどんな人?
過払い金が発生している可能性があるのは、主に以下のようなケースに当てはまる方です。
2010年(平成22年)以前に、消費者金融やクレジットカード会社(キャッシング枠)から借り入れをしていた方
完済しているかどうかに関わらず、上記期間中に利用履歴がある方
現在も返済中だけど、借り入れ開始が2010年より前の方
もちろん、個々のケースによって異なるため、上記に当てはまるからといって必ず過払い金があるわけではありませんが、心当たりのある方は一度調べてみる価値はあります。
過払い金請求の「3つのデメリット」と知っておくべき注意点
「過払い金が戻ってくるなら、すぐにでも請求したい!」と思うかもしれませんが、請求にはいくつかのデメリットや注意点もあります。後で後悔しないためにも、事前にしっかりと理解しておきましょう。
デメリット1:信用情報に影響が出る可能性がある
過払い金請求を行うと、信用情報機関にその事実が記録されることがあります。これは、今後のローンやクレジットカードの審査に影響を与える可能性があります。
借金を完済している場合:基本的に、信用情報に影響はないとされています。
借金を返済中の場合:過払い金が戻ってきても、その金額で借金を完済できない場合は、「任意整理」として扱われ、信用情報にその旨が登録される可能性があります。いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になる可能性もゼロではありません。
信用情報機関は、個人の返済能力を示す重要な情報を取り扱っており、この情報が悪化すると、新たな借り入れやクレジットカードの作成が難しくなることがあります。
デメリット2:請求相手のカードが使えなくなる可能性がある
過払い金請求を行った貸金業者やクレジットカード会社に対しては、その後の利用ができなくなる可能性があります。例えば、クレジットカード会社に過払い金請求を行った場合、そのカードが強制解約になったり、新規にカードを作るのが難しくなったりすることがあります。
これは、貸金業者側からすると「自社に請求してきた顧客」という認識になるため、今後の取引を継続しないという判断になることがあるためです。日常的に使っているカードがある場合は、特に注意が必要です。
デメリット3:時間や費用がかかる可能性がある
過払い金請求は、手続きに時間や費用がかかることがあります。
時間: 貸金業者との交渉や、場合によっては裁判になることもあり、解決までに数ヶ月から1年以上かかるケースもあります。
費用: 弁護士や司法書士に依頼する場合、相談料や着手金、成功報酬などの費用が発生します。過払い金が少額の場合、費用の方が高くなってしまい、手元にお金が残らないという可能性も考慮しておく必要があります。
自分で手続きを進めることも可能ですが、専門的な知識が必要となるため、多くの場合は専門家に依頼することになります。
後悔しないための「過払い金請求」の注意点
過払い金請求を検討するにあたって、上記デメリット以外にもいくつかの重要な注意点があります。
時効に注意!
過払い金には時効があります。基本的に、完済してから10年が経過すると請求権が消滅してしまいます。心当たりのある方は、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。
自分で交渉するリスク
自分で貸金業者と交渉することも可能ですが、専門知識がないと不利な条件で和解してしまったり、交渉が長期化したりするリスクがあります。
専門家選びは慎重に
過払い金請求を専門とする弁護士や司法書士は数多くいますが、中には悪質な業者も存在します。相談料が無料か、費用体系が明確か、実績は豊富かなどを確認し、信頼できる専門家を選ぶことが重要です。無料相談を利用して、複数の事務所を比較検討するのも良いでしょう。
家族にバレる可能性
弁護士や司法書士に依頼すると、事務所からの郵便物などで家族に過払い金請求をしていることがバレる可能性があります。もし家族に内緒にしたい場合は、連絡方法について事前に相談しておく必要があります。
まとめ:過払い金請求は「知る」ことから始まる
過払い金は、過去の借り入れにおいて払い過ぎていたお金を取り戻せる可能性がある、私たちにとって非常に重要な権利です。しかし、請求には信用情報への影響やカード利用制限、費用や時間といったデメリットも存在します。
これらのメリット・デメリットを十分に理解し、ご自身の状況に合わせて慎重に判断することが大切です。もし「もしかしたら私にも過払い金があるかも?」と感じたら、まずは専門家への無料相談から始めてみましょう。適切な情報を得ることで、より良い選択ができるはずです。