「もっと幸せになりたい!」を科学する!ポジティブ心理学の基本と幸福追求のヒント
「幸せになりたい!」そう願わない人はいないでしょう。でも、「幸せって何だろう?」「どうすれば幸せになれるんだろう?」と、漠然とした問いに悩むこともありますよね。
そんなあなたの疑問に、科学的な視点から答えをくれるのが、近年注目を集めている**「ポジティブ心理学」**です。
従来の心理学が「心の病を治す」ことに焦点を当ててきたのに対し、ポジティブ心理学は、**「人がより良く生きるにはどうすればいいのか」「幸福や充実感の源はどこにあるのか」**を科学的に探求する学問です。
この記事では、ポジティブ心理学の基本的な考え方から、幸福を追求するための具体的なヒントまで、分かりやすくご紹介します。今日から実践できることもたくさんありますので、ぜひ一緒に、あなたの幸福度を高める旅に出かけましょう!
ポジティブ心理学ってどんな学問?ネガティブだけじゃない心の探求
ポジティブ心理学は、1998年にアメリカ心理学会会長だったマーティン・セリグマン博士が提唱し、創始した新しい心理学の分野です。
セリグマン博士は、「心理学は、心の病気をマイナスからゼロに戻すことばかりに注力してきた。しかし、ゼロからプラス、つまり**『より良い状態』へ人々を導くための研究が不足しているのではないか?**」と問いかけました。
こうして、ポジティブ心理学は、人間の「強み」「美徳」「幸福感」といったポジティブな側面に焦点を当て、それを科学的に研究することで、人々がより充実した人生を送るための方法を見つけようとしています。
「ポジティブシンキング」とは違い、ポジティブ心理学は個人の経験や主観だけでなく、統計学や脳科学に基づいた科学的根拠を重視している点が大きな特徴です。
幸福は「PERMA」でできている!ポジティブ心理学が示す幸福の5つの要素
セリグマン博士は、持続的な幸福、つまり**「ウェルビーイング(Well-being)」を構成する要素として、「PERMA(パーマ)モデル」**という5つの柱を提唱しました。このPERMAを意識することで、私たちはより意図的に幸福感を高めることができます。
それぞれの要素を見ていきましょう。
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P: Positive Emotion(ポジティブ感情)
「喜び」「感謝」「希望」「興味」「誇り」「安らぎ」など、前向きな感情を経験することです。ポジティブな感情は、ネガティブな感情を打ち消し、困難への対処力や回復力を高め、思考や行動の選択肢を広げる効果があると言われています。
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E: Engagement(没頭・エンゲージメント)
何かに完全に没頭し、時間を忘れて集中している状態のことです。心理学ではこれを「フロー状態」と呼びます。自分の強みを活かして興味のある活動に打ち込むことで、集中力や生産性が向上し、ネガティブな感情から解放されます。
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R: Relationships(人間関係)
家族、友人、パートナー、同僚など、他者との良好な関係性やつながりを感じることです。人間関係は幸福度に大きく影響する要素であり、助け合ったり、貢献し合ったりする中で、私たちは支えられていると感じ、幸福感を高めます。
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M: Meaning(意味・意義)
自分の人生や行動に意味や目的を見出すことです。自分よりも大きな存在(家族、地域、社会、自然など)に貢献していると感じたり、自分の価値観に沿って生きていると感じたりすることで、深い充実感や幸福感を得られます。
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A: Accomplishment(達成・達成感)
目標を設定し、それを達成することから得られる自己効力感や満足感のことです。目標の大小にかかわらず、努力が実を結び、成長を実感することで、私たちは自信を深め、幸福感を高めることができます。
いますぐ実践!幸福度を高める具体的なヒント
PERMAの各要素を意識しながら、日常生活で実践できる具体的な方法をご紹介します。
ポジティブ感情を高める
- 感謝の習慣を持つ: 毎日、感謝できること(些細なことでもOK)を3つ書き出す「感謝日記」をつけてみましょう。
- 良い出来事を味わう: 嬉しかったことや楽しかったことを、意識的に心の中で反芻したり、誰かに話したりして、その感情を深く味わいましょう。
- 笑顔を作る: 心から笑えなくても、意識的に笑顔を作ることで、ポジティブな感情が引き出されることがあります。
没頭(エンゲージメント)を高める
- 自分の「強み」を知り、活かす: 自分が得意なこと、夢中になれること、時間を忘れて集中できる活動を見つけて、積極的に取り組みましょう。ストレングスファインダーなどのツールも役立ちます。
- フロー状態を意識する: 適度に挑戦的で、自分のスキルを最大限に活かせる活動を探し、それに没頭する時間を作りましょう。
人間関係を育む
- 積極的に関わる: 家族や友人、職場の同僚など、大切な人とのコミュニケーションを意識的に増やしましょう。
- 親切な行動をする: 誰かのために何かをしたり、手助けをしたりする「利他的な行動」は、自分自身の幸福度も高めます。
- 感謝を伝える: 「ありがとう」の言葉を積極的に伝えることで、良好な関係性が築けます。
意味・意義を見つける
- 自分の価値観を明確にする: 自分にとって何が大切か、何を優先したいかを考える時間を作りましょう。
- 社会貢献を意識する: ボランティア活動に参加したり、自分が得意なことで誰かの役に立ったりするなど、自分より大きな存在に貢献する機会を探しましょう。
- 目標を持つ: 自分の価値観に基づいた目標を設定し、それに向かって努力することは、人生に意味をもたらします。
達成感を味わう
- 小さな目標から設定する: 大きな目標だけでなく、日々の小さな目標(例:今日はここまで片付ける)を設定し、達成したら自分を褒めましょう。
- 努力のプロセスも評価する: 結果だけでなく、目標達成までの努力や過程も大切に評価しましょう。
- 成功体験を記録する: 達成できたことを記録する「成功日記」もおすすめです。自己肯定感を高めることにつながります。
まとめ:幸福は日々の積み重ねでつくれる!
ポジティブ心理学は、「幸せ」が偶然訪れるものではなく、私たちが意識的な行動や考え方によって、自ら築き上げていけるものであることを教えてくれます。
PERMAの5つの要素を日々の生活に取り入れることで、あなたの幸福度は確実に高まっていくはずです。完璧を目指す必要はありません。まずは、今日から一つでも「これならできそう!」と思うことを見つけて、実践してみてください。
「幸せになりたい」という願いは、実は私たちの心の中に眠っています。ポジティブ心理学の智慧を借りて、あなた自身の最高の幸福を追求していきましょう!